第十一話 運動会と俺

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商店街はいつもよりかは静かで、あんまり人はいなかった。 ここの商店街に家がある生徒も少なくない。運動会ってことでお店は休みにするんだろう。 いや、ただ単に朝が早いって可能性も捨てきれないけど。 まぁそんな店々がシャッターで閉じきっている商店街をあとにし、更に俺は突き進む。 つい昨日棗と上った坂道も、そのあとの学校への少しばかりの道も、一人だと結構簡単に歩くことが出来たわけだ。 まぁそんなわけで、ただ今俺は校門の前にいる。 運動会のため、華やかに飾られた運動場。 テントにはお偉いさんのために先生方がお茶の準備していたり、 他には運動場に椅子を運んでいる生徒がいたり……と、いつもとは大分違う光景が俺の世界には広がっていたわけだ。 そんな運動会の朝の様子を感じている俺も、まずは自分の教室へと向かう。 校舎に入り、下駄箱を過ぎ、廊下を過ぎ、幾多の教室を過ぎ……な感じで。 そんでもって俺の教室に到着ー。 「うぃーっす」 教室に入るときはやっぱりこれだよな。 この先も言っちゃいたいんだが、最終的には教室から叫びながら出ていくことに…………あ、理解出来ない人、すまん、ごゆっくりー。 えーと、まぁパロネタは一先ずおいといて、 自分の席にいつもより数倍軽い鞄を机に下ろし、まずは教室を見渡す。 広がる体操着天国……なわけないよな。 うちの学校、ブルマじゃなくて短パンだし。 そんな神設定ないんだし。 てかまず三次元にそんな萌え要素は必要ないッ! ……棗以外に。  
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