第十一話 運動会と俺

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さて、俺たち生徒一同は無駄に運動場をぐるりと一周行進。 分かるだろ? 無駄に保護者が辺りにいるなかで、無駄に運動場を歩く気持ちを。 そんななか、俺たち生徒一同は校庭の真ん中まで行進を続け、 校長の「一同整列ッ!」 という無駄に気合いの入った一声に一同を規律よく並ぶ。 俺たちを見つめる保護者やその他もろもろの視線。 視線、視線、視線。 たかが開会式なんかに『耳』ならぬ『目』を傾けますかねぇ……。 あ、今度はこちら側の話なんだが、 生徒一同の中でこの開会式を本気で楽しんでいる奴なんているんだろうか。 心の奥底では面倒だと思っているに違いない。 かくいち俺もそうなんでね。 どうせこの“開会式”が終われば、次はだいたい『準備体操=ラジオ体操』が始まるんだし。 少しばかり怠けても大丈夫だろ。 俺だけじゃないんだし、きっと。 ほら、“赤信号 みんなで渡れば 怖くない”的な考え方。 校長は長すぎる無駄な演説をしているし、 PTAとかのお偉いさん方はテントの中で椅子に腰掛け、お茶を飲んだりでそれなりにくつろいでやがる。 朝の日差し降り注ぐ真っ只中に立ちっぱなしにされている俺たち生徒一同。 きっとこれは拷問なんだよ。先生方の生徒への多大なるいじめなんだ。 いろんな意味で自暴自棄に入りかける程に、立ったまんまでいるのは辛いんだよな。 なんで校長はこの苦痛のことを分かってくれないのか……無性に怒りたい。 ここは作者クオリティを使うべきか……? いや、使わないでおくか。 こんなので一々反応してたらきりがないもんな。。  
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