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……校長も、自分がお呼びでないとようやく気付いたのか、
数分間運動会に関係のない話を語っていたのをやめ、自分のテント内にそそくさと戻っていった。
校長の長ったらしい話が過ぎたら、後の他の微妙な開会式のプログラムはだいたいはすぐに終わる。
国旗掲揚、国歌斉唱などなど……、他にもすることはあるんだが、この際それはスルー。
次に大事な話といえば、『前生徒会長の話』だ。
ずっと前に話したとおり、今回の運動会は現生徒会は関与していない。
全てが全て『前』の方々の行事だ。
そんな前生徒会会長がたった今から話すらしい。ちょっと耳を傾けてみるか。
「えー、自分達元生徒会執行部は、この運動会の開催中でのみ、復活する。
よって、現生徒会執行部の人は今回あまりたいした仕事はないが、そこは理解していただくと共に、
えー、あー、まぁとりあえず! 今日は存分に熱くなって、楽しんでいってくれ!」
今の生徒会長とは比べものにならないくらいに威厳のある(カリスマ性とでもいうのか?)声で生徒一同に語り出す。
先程の校長の話を全く聞いていなかった生徒一同も、こちらには耳を傾けているらしい。
「一一楽しい時間は、やるまでの経過が楽しいものなんだ。
終わってしまうと、何故か虚しさを感じてしまう。だいたい行事なんてそんなもの。
僕らにも修学旅行など、いろいろな行事があった。過ぎ去ってから分かる有り難み、この僕らにとって運動会をそんなことぐらいで終わらせたくない。
終わってからも楽しめたと思える運動会にしよう!」
……マジすげぇカリスマ。周りの生徒一同魅了されてるよ、うん。
前生徒会長かっこいいな、おい。
うん、“前”生徒会長。
三年ということもあって、今回の運動会にかける情熱が半端ないな。
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