第十一話 運動会と俺

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この『ラジオ体操』にも、真面目に体操する者、若干サボりがちな者、いろいろなタイプの生徒がいるが、俺はサボりがちの方の分類に入るのだろう。 校舎側本部席前にクラスが立ち並ぶ列の中で、俺はかなり後ろのほうに立っている。 本部に近くない=カメラにも写らないから……という考え方だ。 あ、ご家庭カメラじゃなく、地方テレビのカメラの方的な意味で。 一応体操と言えば大事な体操なんだが、朝早くからあんな恥ずかしいこと出来るかっ!? みたいな感じでやってますよ、生徒一同。 曲が流れている間は皆は見た目しっかりとやっているのだが、曲が終わったときの方が活性化するんだよな。 最初から最後までしっかりとやるのは校長と体育教師ぐらいなもんだ。 元気があってよろしい。 さて、またまた時は流れ、最後の『深呼吸』を終え、また本部席前に一致整列する生徒一同。 これから退場へとなるわけだが、やっぱり運動会のお決まり、自分の応援席へと“駆け足退場”となるわけだ。 入場のときのように、ぐるりとトラックを一周して退場する。 今年は入場、退場、同じところらしい。 運動場を挟んだ本部席の反対側。 そこから生徒一同は退場したわけだ。 駆け足……かったるい。 そう思ったのは俺だけでないだろう。 俺の周りの男子女子、早歩きと駆け足は紙一重。 やだね、運動会。 棗が来るまでは本当に憂鬱な作者だよ、うん。  
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