第十一話 運動会と俺

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のクラス一同と応援席に戻り、自分の椅子に腰を降ろす。 そんでもって隣に座る眼鏡の男子なんかにプログラム表を見せてもらったりで、しばしの休憩のときを過ごす。 ……多分棗が来たらこの席に座っていることもなくなるだろう。 俺、絶対棗のとこにずっと行ってやるもん。 さて、 「次、何?」 俺は横を向き(当たり前か)、一言で隣の男子に問う。 ほら、男同士の話に言葉はいらない。男は拳と目で語るのよ。 ……あ、手に持ってたプログラム表を見れば分かるのだが、俺は飯の時間しか見てなかったので。 「次は……えー、一年の全員リレー。特に俺らには関係ないみたい」 隣の眼鏡男子はこちらに振り向きざまにそう答えた。 それと共に俺はそれを聞いて体と首を元に戻した。 幸いなことに、俺たちは二年生。初っ端から運動をしなくてもよいということらしい。 とりあえず有り難く椅子に座り続けさせてもらおう。 いや、ただ座っているのも意外に飽きるよな(さすがに早いかも知れないが)。 俺は座っている範囲で周りを見渡した。 先程の入退場門らしき場所にはもう一年生が集まって来ていたらしい。 ……お早いことで。一年生は小学校のときとは違う空気で楽しんでたりするんだろうな。 見た目跳びはねてんだもん。 並びながらもピョンピョンと跳びはねている一年男子(まぁいい)。 並ばずに跳ねている一年男子(ただの迷惑)。 いろいろと楽しそうです、はい。 いや、一年生と違って俺的には棗が来ないとテンション上がんないんだよな……。 俺去年どうしてたっけかな……。  
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