第十一話 運動会と俺

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さて、会長その他etcの乗る全ての台車がゴールし、何故か笑いをとったこの競技も終了した。 退場のときになびいていた紅白の鉢巻きが異常なまでに印象に残っている俺だ。 さて、三年生の学年競技が終わった今、次にフィールドに入るのは俺たち二年生。 俺の周りのクラスメートのみんなも、椅子に腰掛け、頭に真っ白な鉢巻きを更には強く締めていた。 それはもう頭を圧迫して血の流れを止めてしまうくらいに。 あ、そういえば今更なんだが、(ry も含め、俺達は白組だ。 なんか無性に白ラン着てみたい俺がいる。 ららら真っ白~。  おぱんちゅ真っ白~。 と、ふと脳裏に流れてきた俺を殴って正気に戻してくれると助かる。。……うん、なんか切実に。 白……それは高貴たる汚れなき色。 それはシャツだったり、おぱんちゅだったり。 真っ白はとてもいい色、美しき色~。 さて、自重することを忘れた俺だが、入場門辺りに二年生が集まってきたことを目撃。 俺も急いで入場門に向かった。 さて、入場門にて前生徒会執行部(三年生)により、手ぬぐいが配られていたのを発見。 俺たちの学年競技は『増人増脚』と呼ばれる、二人三脚をもっと大きくした競技。 手ぬぐいはそんな俺たちの心を繋ぐ大事なアイテムなのだよ、うん。 ……恥ずかしい台詞を言ったこと、後悔はしていない。 この妙な生徒集計の静けさが、己の悲しさを引きたてる、そんな沈黙な俺。 競技が始まるまでのこの時間が妙に長く感じる俺なのであったー。  
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