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さて、俺も起きるか。
ちなみに彼女は半身を起こし、小さく頬を膨らませている。
またその姿がもうなんとも言えなくて、……ええ、和みます。
一見無表情で無関心に思える彼女も、微妙な変化があると思う。
今は対して変化がないように思えるが、そのうちな~……なんてことも脳内にはあったりする。
俺は横になっていたベッドから半身を起こし、再度時計を確認した。
……10:30分。微妙なところだな。
彼女はまだ膨らませている頬を時々緩ませながら、あくびをしていた。
俺がそっちを向こうとすると決まって目を逸らすので、あくびを正面で見れないのが非常に残念なところ。
俺はベッドから降り、なんどか伸びをしたあと一階へと降りていっ……いや、行こうとしたのだが、
「………………散歩」
「え、あぁじゃなくてストップ! せめて寝間着を着替えとけ。
ちょっと待ってろよ」
寝巻のまま窓の方に向かう彼女を俺は引き止めた。
「……?……こくっ」
とりあえず彼女はその場に立ち止まって、一つ大きなあくびをしたあと、すたッとその場に座り込んでしまった。
そんな事より着替えね……。
ウチの自慢の全自動洗濯機がやってくれた…と思う。俺は今度こそ一階に降りていった。
……まぁ案の定ドラム式洗濯機の中には乾いた彼女の服があった訳で。
それを急いで彼女のところへと持っていった。
「……ほら、これに着替えてから行けよ」
部屋に戻った俺は、彼女に着替えを軽く投げて渡したのだが、なぜか顔面に一直線に入ってしまった。
とりあえず彼女はそれを拾い、着ていた寝間着を脱ぎ(下着はスケスケのアレとか)、初めて会った時の服装になった。
この服みると刺されたことを思い出すな……。
「…………お昼……」
彼女は窓に手をかけ、振り返らずに言った。
「え、あ、了解」
まぁお昼には帰ってくるということなんだろう。ご近所さんに見つからなきゃいいけど。
まぁ窓から降りる時と登る時に見つからないように願おう。
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