第三話 彼女観察な俺

3/27

4719人が本棚に入れています
本棚に追加
/558ページ
さて、俺も起きるか。 ちなみに彼女は半身を起こし、小さく頬を膨らませている。 またその姿がもうなんとも言えなくて、……ええ、和みます。 一見無表情で無関心に思える彼女も、微妙な変化があると思う。 今は対して変化がないように思えるが、そのうちな~……なんてことも脳内にはあったりする。 俺は横になっていたベッドから半身を起こし、再度時計を確認した。 ……10:30分。微妙なところだな。 彼女はまだ膨らませている頬を時々緩ませながら、あくびをしていた。 俺がそっちを向こうとすると決まって目を逸らすので、あくびを正面で見れないのが非常に残念なところ。 俺はベッドから降り、なんどか伸びをしたあと一階へと降りていっ……いや、行こうとしたのだが、 「………………散歩」 「え、あぁじゃなくてストップ! せめて寝間着を着替えとけ。 ちょっと待ってろよ」 寝巻のまま窓の方に向かう彼女を俺は引き止めた。 「……?……こくっ」 とりあえず彼女はその場に立ち止まって、一つ大きなあくびをしたあと、すたッとその場に座り込んでしまった。 そんな事より着替えね……。 ウチの自慢の全自動洗濯機がやってくれた…と思う。俺は今度こそ一階に降りていった。 ……まぁ案の定ドラム式洗濯機の中には乾いた彼女の服があった訳で。 それを急いで彼女のところへと持っていった。 「……ほら、これに着替えてから行けよ」 部屋に戻った俺は、彼女に着替えを軽く投げて渡したのだが、なぜか顔面に一直線に入ってしまった。 とりあえず彼女はそれを拾い、着ていた寝間着を脱ぎ(下着はスケスケのアレとか)、初めて会った時の服装になった。 この服みると刺されたことを思い出すな……。 「…………お昼……」 彼女は窓に手をかけ、振り返らずに言った。 「え、あ、了解」 まぁお昼には帰ってくるということなんだろう。ご近所さんに見つからなきゃいいけど。 まぁ窓から降りる時と登る時に見つからないように願おう。  
/558ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4719人が本棚に入れています
本棚に追加