第三話 彼女観察な俺

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あ、やっぱタンマ! 靴だよそうそう! 危うく裸足で行かせるところだった。 てか俺思うに窓から出入りさせるってのもどうかと思うな……。 玄関からの出入りを教えてみるか、駄目元で。 「棗~、窓からじゃなくて玄関から出入りしような?」 「………………?……」 あ、こくっとしないってことは理解してないんだよな? そう解釈させてもらう。 この子はどういう暮らしをしてきたんだ……? 親の顔が見てみたいよマジで。 いや、ヲタになってしまった俺の言えるセリフじゃないけども。 「ちょっとついてきてな?」 「…………こくっ……」 俺と彼女は一緒に一階へと降りていった。 日曜日だってのにすることないのは痛い。 たまには料理でも作りますかな。 まぁ半分は一人暮らしのような感じだし。 とりあえず玄関まで歩いた俺と彼女。 まぁ階段降りて数歩いけば目の前なんだけど。 「今日からここから外へと出入りすること。それと靴は履く、分かったか?」 日本人なら当たり前のことなんだけど……。 「…………こくっ……」 彼女は一つ小さく頷くと、紐が結びっぱなしの小さなスニーカーにいつの間にかニーソックスを履いていた足を入れた。 若干緩めになっているらしい。少し踵で叩くとすんなり入った。 「………………。」 無言でドアノブに手を掛ける彼女。 「帰ってくる時もここからだからな? 鍵は開けとくから」 「…………こくっ……」 小さき頷いた彼女は、ドアを開けて外へと歩いていった……。 さて、俺は買い出しに出かけてこよう。今日は母さん帰って来ないようだし、俺が作らないとな……。二人分か。 俺は、生活ルームに財布と携帯を持ちにいった後、……あ、それとタンスの中の服に着替えて玄関を出て行った。 まぁ一応鍵を閉めておこう。すぐに戻ってくるしな。 どうせ二階の窓開いてるし……。  
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