第三話 彼女観察な俺

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「さて、そろそろ家に帰って昼飯でも作りますか!!」 「………………♪……」 さっきまではうかない顔をしていた彼女だったが、昼飯という言葉を聞いて、若干反応したようだ。 「今日は昼は適当だけど、夜はお魚だからな?」 「…………!……♪」 またも彼女のよろしい反応。 やっぱり昼より夜だよ、うん。 こんな簡単なことに今頃気付いた俺は、昼は適当にすることにする。 我ながら適当な考えだ。 冷蔵庫の中、何入ってるっけか……? 昼飯はパンでいいか? いいよな(自問自答)。 「それじゃ戻るぞっ」 「…………こくっ……」 俺の一言と共に彼女も歩みを進める。 俺と棗は並んで家までの少しの距離を歩んだわけだ。 ……彼女の尻尾が歩くごとに左右にユラユラと揺れるので、気が散ってしかたがない。 ……俺をキュン死させる気か!! ……俺を萌え死にさせる気なんだな!? まぁマジで今なら彼女のために死ねると思うけど。 まぁ死ねるけど死にたくはないがな。 さて、話を戻そう。 彼女の歩むスピードは俺よりも若干スローで、微妙に小走りになっているところもまた乙だ。 ……よし決めた。この子は絶対に非公開だ。他のキモヲタクなんかに見せたら汚されかねない。 あ、俺? 俺は『考えてることがキモ過ぎて逆に引かれにくいヲタク』だからいいの。 てか俺がヲタクだってこと知ってるの数人しかいないしさ。 まず彼女よりもこの情報の方が非公開だよな、うん。 みんなに知れたら大変なことになるよな……はぁ。  
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