第三話 彼女観察な俺

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……はい、さてさて、自宅へとつきました。まぁ家からそんなに遠くはないしな。 とりあえず、彼女が『玄関の使い方』をどれだけ覚えているか……だな。 一回で覚えてくれていれば楽なんだけど。 俺は玄関の扉を彼女に開けさせ、彼女を先に行動させる。 玄関に入った彼女は、靴を脱ぎ、ニーソを脱ぎ、一段上がって……。 うん、ニーソの動作いらない。無駄に無駄を重ねちゃったね、はい。 心のどこかでは完璧に出来ることを期待していたのだが、中途半端に裏切られた感じ。 なんか心にモヤモヤが残る。 まぁいいや、それよりも飯だ飯だ。飯田飯田。 の前にニーソだニーソ! 履かなきゃ彼女の萌え度が落ちちまうじゃねぇか。 俺の切り替えの早さには自分でも驚き。 「棗さ~ん、ニーソは脱がなくてもいいですよ~?」 「…………こくっ……」 そう俺が伝えると、彼女は玄関に座り込み、ニーソを履き始めた。 まぁここまではあまりネコミミについて触れなかったが……。マジでねこじゃらし買ってこよう。 さて? とりあえずニーソを履いたのを確認したから、とにかく飯を食おう。 彼女をリビングに放置し、俺はキッチンにある食器棚の下の段に入っているありとあらゆる種類のカップ麺を取り出し、棗に聞いてみる。 「何がいい?」 まぁ分からないと思うけど……。 「………………。」 ほらな。さて、今手元にあるのは、ベタに醤油、味噌、豚骨、塩、更には期間限定のちくわ味。ちなみにちくわはスケトウダラのすり身から作られている。さて、食いついてくるか否か……。 「……醤油、豚骨、塩、ちくわ」 「……………………?」 商品名は理解していないようだ。じゃあ俺がちくわで彼女が俺の好きな豚骨味で。 さてさてどうなるかな~?  
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