第三話 彼女観察な俺

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  とにかく、カップ麺に注ぐためのお湯をポットから得て、とりあえず三分待った。 ちなみに彼女はというと、さっき独自に発見した『絵が動く箱をつけるための手の平サイズの物体』(=リモコン) についているボタンをとりあえず連打している。 まぁ電源ボタンをたくみに外しているから……これはこれで一つの才能かも知れないな。 さて、そんななか一分経過……。 ブィーーン ……やっと電源ボタンを押すことに成功した。 彼女はまた新しいことを覚えたようだ。 『とりあえずボタンを押せばつく』 なんか適当だなぁ。 でもまぁ、今度詳しく説明してあげよう。 さて、そんな彼女はいかにも“してやったぜ”的な納得顔でこくこくと頷いている。 どうやら少なからず達成感はあるらしい。 ただ、その表情には、あまり変化がない。 頑張ったぜ的な感じで表情にも変化があればいいんだけど……。 ……さて、いきなりだが三分経過だ。 俺はカップ麺を一個ずつリビングへと持っていく。 そんなとき棗は、テレビから目を離し、置いてあるカップ麺へと視線を移していた。 さっきみたいに行動をおこすのではなく、ただ、まじまじと凝視するだけ。なぜか微妙に尻尾も揺れている気がする。 ただ、やっぱり表情が無表情なのだが。まぁそこは……もう慣れました。 まぁいいさ。さぁ、食べよう。てか何気に彼女が箸を使えることに驚き。 意外にも普通に箸を握っている彼女。 さて、カップヌードル第一段階、『ミッション1』、フタをとる……だな。 “鉄の歯車壊しに行く蛇”の気持ちだ。 あ、↑は英語変換で。  
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