第三話 彼女観察な俺

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  「まずこうやってフタをとる」 棗に簡単なことを教えている。 まぁフタを掴んで剥がすという単純極まりない行動なのだが。 彼女も同じようにフタをめくり取った。 「次に、箸で中身を掻き混ぜる」 とりあえずぐるぐると中身を箸で掻き混ぜるところを見せた。 「……………………。」 とりあえず彼女も、若干興味津々? でぐーるぐると掻き混ぜ始めた。……瞳が、瞳が輝いている!? 「そしたら適量掴んでふーふーして食べる」 ふーふーとかいって……、どんな赤ちゃん言葉だよ。 やばいよ俺、前にも増して壊れてきてるよ俺。 ……彼女を眺めていると、いきなり彼女の耳と尻尾がビクッとなったので若干びびった。 「……………んむ……」 彼女が口をつけた瞬間、彼女は小さく口から舌を出す。 まぁそこが……可愛い。 舌をちろっと出しているところなんかで俺は萌え死ぬことが出来るぜ。 「ほら、よくふーふーしなきゃな?」 「………………こくっ」 今度は用心深くふーふーふーふーして口に運ぶ彼女。 はぁ……癒されますよ。もう頭ん中が『なははははは~』な感じになっている。 あ、そうだ。スケトウダラの練りものだ。(ちくわ) 「棗、あ~ん。……あ、ちょっと口開けてな?」 「…………ぅぁー……」 彼女の口に一応冷ましたちくわを入れた。 ふひひひ、間接キッ----ス!! 「…………!……ー♪」 さすがは猫。練りに練られた魚の味が分かるのか? ……ふひひ、それにしても、計算通りだ。やべぇこの世界の神になれるかも知れねぇよ、俺。 「交換するか? 棗のと俺一一「こくっ…」 ……俺の、俺の言葉を遮られた。泣きたい。 うん、マジで悲しい。 ……まぁいいか。 ふっ、開き直り、それは俺の最大の能力だから。 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓 俺はネコミミ少女のたべかけカップ麺を手に入れた。 タラララッタッタッタ~♪ 俺はLevel upした。 特技『言葉の魔術』   『行動先よみ』   を覚えた。  ← 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓 よし、まぁジョークはさておき、彼女の味を堪能しようか。 ふふふ……やばい、笑いがとまらねぇ。 ついでにワクワクもとまらねぇぜ。    
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