第三話 彼女観察な俺

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監禁、つまり彼女が部屋から出ないようにすればいい。 まぁ入り口は南京錠で外側から閉めておくから大丈夫だ。 じゃあ窓は……? 窓は内側からだし、いじれば簡単に開いてしまうだろう。 TVのリモコンの件からして、充分にそれは可能だろう。 ガムテープかなんかで開かないようにしたらどうだろう?……あ、出れなくしたらトイレはどうすんだ? おまるは無理だし。 ……中のフィギュアをいじられるかも知れないし。 俺の涙の結晶、壊されたくないしな。 ……監禁、やめるか。 母さんには、 『彼女が出来ました。異世界からやってきた棗です。どうか仲良くしてやってください』 とでも言ってみるか。 ……言えないな、うん。 母さんが俺のことをヲタクだと知っていれば、まだ、ついに頭がおかしくなったか……で済むのだが。 え? 母さんのこと? あぁ、こっちの話。 まぁ母さんが帰ってくる直前に考えればいいよな? 当たって砕けろって言葉もあるんだし。 まぁいいか。今は今を楽しもう。棗は……まだ食ってるらしい。 多分彼女、給食とか最後まで食ってて、 『お前のせいで昼休み短くなるだろー』 とか言ってくる男子に責められる女の子タイプだろうな……。 ちなみに俺は責める側を責める役柄だ。 俺の役柄? そのうち分かるってば。 ……………………。 彼女を見つめること数分。 ………………おっ? 彼女が箸を持つ手を止めた。 「…………はぃ……」 汁のみのカップ麺の容器を渡してくる彼女。 とりあえず彼女はやることはしっかりとやる娘だ。 頼まれたことはちゃんとする娘だ……多分。 よし、それでは俺の一分クッキングを始めよう。 彼女から受け取ったこの容器を使って!!  
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