第三話 彼女観察な俺

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………………復活。 しばらく絶望にのたれまわった後、俺の脳は起動した。 さっきから体は起動していたのだが、脳が指令を出さなかった。 さて、いつのまにか彼女はテーブルの下で丸まって寝息をたてている。 食べて寝て……豚になるぞ? いや、豚猫になるぞ? まぁ彼女に限ってそんなことはないと思うがな。もぅそれはそれは美人で……。 いや? 可愛いと言った方がいいか? とにかく! 美人だ。 俺の脳内でそう議論が適当に解決した。まぁ脳内議論は置いといて、 今何時? 俺はリビングの時計を確認、……短い針が綺麗に右を向き、長い針が真上に。つまりPM3:00だ。そう、おやつの時間。 PM3:00ということは、俺、約2時間もフリーズしてたのか。 我ながら凄い記録が出ました。 うん、鏡を見なくても分かる。俺、苦笑い。 おやつの時間……、お菓子買ってないな。俺としたことが。 いつもはチョコだの煎餅だのを必ず買ってあるはずなのにな。 そういえばチョコといえば、猫はチョコ食べちゃ駄目なんだよな? 毒だったっけか? まぁ不確かだし。 ……特にすることもないし、いきなりだが脳内議論を繰り広げるとしよう。 今回の議題は、そうだな、“棗がどこから来たか”だな。 第一説、異次元からこんにちは~。 第二説、研究所からやってきた~。 第三説、そこら辺のネコの突然変異~。 ……このくらいだろうか。 まぁこの際、『彼女』という存在は全て本物だということは俺が認めよう。 俺的にはどれでもいい気がする。 ……結論『どれでもいい』。 俺、なんの為に議論たてたんだよ。 無性に自分にツッコミを入れたい。 さて、そんな議題の中心の棗だが、ただ今俺の肘つくテーブルの真下にいる。 半身起こしたら絶対ぶつかる。 『ぁぃたー』ってなるな、絶対。マジでこれ当たるって。かわいそうに。 想像するだけで顔がにやけてしまうぜ……。    
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