第三話 彼女観察な俺

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  ……よし、ギャルゲでもやるか。多分棗が起きた時にはガシャンだのなんだのって鳴るだろうし。 あ、その前に、この『ご飯inカップ麺』をどうにかしな……冷たッ!! 2時間近くの放置で限りなく常温の水の温度と同じと化していたらしい。 口をつけた瞬間これだ。 ………チンしよう。勿体ないし食べちゃうか。 キッチンの冷蔵庫の横の台の上に、一つぽつんとレトロな電子レンジが置いてある。 そこに冷たくなったカップ麺を突っ込んで温めのレバーを回して放置しておく。 ジー……という特有の音を発しながらも、タイマーはほんの少しずつ動いている。 ……そろそろ買い替え時だと思ってたけどまだまだ現役そうだな。 あ、ちなみに、この電子レンジは母さんが働く店から適当に貰ってきたものだ。 まぁ使えるし、使うし……よしとしよう。 ……いや、ま、でもさ、やっぱ使いにくいわけよ。 まぁそれをレトロって言って頑張ってる俺を褒めたたえて下さいな。 とまぁこんな、たかが電子レンジについてのことを語ってしまっていたが、あの軽快なチーンの音と共に、ジー…という音もなくなった。 熱々になっている、お粥のような感じになっているソレを、なんとか取り出し、テーブルへ……。 正直水分がお米に取られ、本当に微妙な味になっていたが、まぁそれは触れないでおこう。 いや、触れないで下さい。 とりあえずソレをおやつとして(正直全く美味しくなかった)、棗のとともにキッチンのごみ箱へとポイをした。 ……と、そうやって時間を潰していたのだが、突如リビングのテーブルがガシャンと音をたてたことに気付いた俺。 さてさて? お姫様のお目覚めかな……?  
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