第三話 彼女観察な俺

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  「…………ぅー……」 ぁぃたーではなかったが、だいたいは当たっていたのでよしとする。 彼女は机の下、カーペットを左右に転がり、ネコミミのついた頭を抑えて、こちらを超若干のうるうると涙目で見つめてくる。 しかも、あの神様級の座り方『女の子座り』で座ってるもんだから……うん。 でもすみません、俺はどうすることも出来ないです。 頭撫でてあげたいけど……許してくれないだろ? う、くそ、愛でてぇ。超愛でてぇ。 ……尻尾で我慢しよう。 「棗~、尻尾」 「…………ぅー……」 涙目で唸りながらもピーンとのびている尻尾をこちらに向けてくる彼女。 この状況、意外に鬼畜? まぁそんなことはさておきだ。 ……ふっさふさの毛並みです、はい。 やべぇ…これはどうしても更に愛でてぇ。この萌度は神様級でっせ。 でもやっぱり頭撫でたいな、うん。 ネコミミ……それは男の子の心をくすぐる心の休憩場なのですよ。 「棗……頭撫でてもいいか?」 「……ふるふる……」 やっぱ駄目か。 小さく首を横に振る彼女。 いつだろうな、触らせてくれるの。 まぁとにかく、俺は一日に三回ある尻尾お触り回数券の一枚(架空)を使ったわけだ。 「てかさ、そんなに痛いのか?」 そういえば気になったことを素直にぶつけてみた。 「……こくっ……」 あ、なんか頷き方もいつもと違うことに気付いた俺。 いつも頷きは小さいが、今はさらに小さく頷いていた。 めっちゃ萌えだな、萌え死にしちまう。 ……ぅー……と唸る彼女。どうやら喉を鳴らしている訳ではないらしい。まぁ一目で分かるけど。 とにかく…やばい。涙目やばい。女の子座りやばい。 やばいやばいやばいやばいやばい、やばいやばいやばいやばいやばい、やばいやばいやばいやばいやばいやばい、やばい。 なんか“いやばい”に見えるのはあえてスルーの傾向で。  
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