第三話 彼女観察な俺

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さて、ヲタルーム、それは俺にとっての唯一の楽園であり、憩いの場でもある。 部屋一面に広がるそれはそれは萌え~なお人形さんが置いてある。 ネコミミ、見た目がいいのはもちろん、ベタなアニメの登場キャラのものもある。 我ながらよくこんなに集められたものだな。 いや、実は屋根裏部屋にも置きたいな~なんて考えもある。そこまでフィギュアがないのが現状なんだけどさ。 唯一あまりフィギュアの置いていない机の上から、PCを部屋の片隅にあるベッドに移動し、そのベッドに横たわり、片肘をつけながらPCを起動した。 たまには楽な姿勢で動かしたいもん。NPCだから持ち運び可能だし。 俺、休日はいつもこんな過ごし方なんだよな。適当に起きて、適当にPCいじって。 まぁそんなだから毎日がつまらないと思ってしまうんだよ。毎日、毎回同じ繰り返し。 そこに変化を起こしたのが彼女、棗なんだ。“ナツメ”そう彼女は名乗った。 彼女に何故ネコミミが生えてるかなんては軽くどうでもいい。 ただ、彼女がこのつまらない毎日を変えてくれたとも考えられる。その部分では、まぁある意味感謝してるわけよ。 うん、こんなことを考えているうちに、自然とあくびは零れてきている。 まぁそれでも、彼女が帰ってくるまでは起きてないと……。 ……おっと。PCつけっぱなしなの忘れてたわ。 え? あぁ、寝てた。いつの間にかな。電気代が勿体ないじゃないか。 つけっぱなしのPCで確認、現在時刻はPM5:10。そろそろ日も傾いてくる頃だな。 PCの電源を切り、机に戻した後、さっきのリビングへと戻った。 「……棗は、まだ帰って来てないのか」 遅いな。散歩で迷ったりでもしてんのかな……。  
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