第三話 彼女観察な俺

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俺は適当にキッチンに向かい、冷蔵庫を少しあさり、飲料水的な飲み物を胃に移して、再びリビングへと戻った。 2時間ぐらい前に彼女がいじっていたリモコンをテーブルの下から引っ張り出し、テレビの電源をつける。 いや、それよりも……何故にテーブルの下にある? まぁいいか。テレビをつけると、5:00代ということもあり、子供向けの養育チャンネル、その他再放送のドラマ、その他各種ニュース番組など、多数の番組がある。 まぁそんなわけで特に用もないのでニュース番組にした俺。 見てて思うのだが、良くないニュースが一つもない日はないのか? 毎回毎回強盗だの殺人だの事故などのニュースで溢れかえっている。 俺的には全て平和な一日を過ごしたいのだが……うん。 ニュース番組も終わり、適当に明日の天気予報にふけっていると、玄関の扉が開く音が。 ……棗だよな? 母さんは明日なはずだし。 ゆっくりな足どりで玄関に向かい、真っ先に目に入ったのは彼女の姿だった。 二日間過ごしただけでこの俺を虜にするとは……ネコミミ恐るべし。 ……まぁとにかく、棗の学習能力チェックだ。 玄関の使用方法、今度こそ完璧に出来るといいのだが……。 靴を脱ぎ、一段あがるだけ。 ただそれだけの事に期待をする俺っていったい……。 無駄な想像は募るばかり。 無意味に考えていると、ふと、後ろに気配を感じた。 振り返るとそこにはさっきまで玄関にいたはずの彼女が立っている。 あ、ちなみに靴は脱いであるらしい。 玄関な靴は若干散らかし気味だけど。 まぁとりあえずできたようだ。 「うん、よく出来ました」 「………………?」 疑問の顔を浮かべる彼女。 彼女の出来ることがまた一つ増えた。 今度マジで料理でも教えてみるか。  
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