第三話 彼女観察な俺

21/27

4719人が本棚に入れています
本棚に追加
/558ページ
…………暇だ。 あ、そうだ。 『らめぇ』……か。 人は何故気持ち良くなると活舌が悪くなるのだろうか……。 俺の素朴で些細な疑問。 恍惚ってなんなんだ、畜生め。 おっと。ただの独り言だから。まぁ……うん。 だってさ、10分て暇なもんだよ? 俺は彼女と違って飽きるから……。 まぁ肉でもこねてればよかったんだけども。 とまぁ淫語だのなんだのについてをいろいろと考えていたら、いつの間にか9分52秒93な時間になった。 しばらくすると、ピピー音が連続な、なんとも止めてくれ衝動を発生させるアラームなるものが鳴りだし、グリルが完了した。 おもむろに棚から中皿を取り出し、熱々の焼き魚をそちらに移す。 「……とまぁこれで一通り作業は終わりだな」 「………………♪」 無表情に若干変化があったと思われるが、……未だに違いがよくわからない。 ま、そのうち分かると思うよ。俺の洞察力を舐めないでもらいたい。 テストの答えを勘で導き出すような男だ。 さて、それじゃ俺の飯を作るか。……その前に棗はあれだけで足りるか? 足りなかったら付け合わせでも作るから別にいいけど。 彼女がそう伝えてくれなければ俺には分からない。 とにかく、俺は肉でもこねてハンバーグでも作るとしましょう。 ……あ、そうだ。ハンバーグの作り手順、飛ばそう。 作り方知りたかったら料理本でも見てね。 あくまで、省略という肩書の表現技法なのさ。 ただいま作っております。  
/558ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4719人が本棚に入れています
本棚に追加