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「あ、待つのが面倒なら先食べてていいぞ~」
「…………こくっ……」
焼くのは意外に長くかかりそうなので、俺は彼女が先に夕食を食べることの許可を出しておく。
……ハンバーグは、なにかと面倒だな。なんというか、そう、無駄に時間がかかる。手順は簡単なんだけども。
俺的には毎日即席カップ麺でもいいんだけどな……。
俺は目線を棗から手元に戻す。
フライパンに油、その他もろもろ(形作った挽き肉)を二、三個おき、焼けるのを待つ。
リビングの方では、いつのまにか彼女は律儀にテーブルに着いており、焼き魚に小さく噛り付いていると見受ける。
小さく噛り付く……なんか日本語が微妙だな。
それと同時に、棗のご飯がいらないのかが若干心配だ。超少食だな。まぁ俺は白いご飯よりもパン派だから人のことは言えないけど。
料理中、料理中、しばらく……まぁ、うん。
そんなこんなでハンバーグは茶色焦げ色に焼き上がった。皿に盛り付け、残りは明日用という訳でラップで包み、某四次元ポケットという名の冷蔵庫に突っ込む。その動作約9秒。
ベタな付け合わせ、マンネリ化を認めるキャベツの千切りがあるということでもなし。
あるとしたら、炊飯器という名の某四次元引き出しに収まる温か白飯だろう。
夕食には夕食らしく、白いご飯はつけなくては。俺の微妙な日本人故のこだわり。しかしパン派は否定せず。
俺もリビングに向かい、棗の前について、夜(夕時かな)のひと時への時間を迎えた。
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