第三話 彼女観察な俺

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  基本、数分後には俺が先に食べ終えてしまった。 ハンバーグwithご飯と焼き魚のみ。絶対、後者の方が早く食べ終わりそうなんだが……。 うん、人それぞれって便利な言葉だよね! あ、いや、棗は人でいいのか?ネコミミと尻尾生えてるけど……。 「そうだ、棗は人間の分類に入るのか?」 「…………知らない……」 はい? 知らないはないだろ。 さすがに知らないはダメだろ知らないはー……。 続いて、まだ一度も追加質問をしたことはなかったけど……、こいつも思い切って聞いてみよう。 「何故知らないんだ?」 黙秘権を使わないでもらえるとありがたい。 相変わらず無表情な彼女の瞳を、俺は見つめた。 「…………一一い」 「え?」 結論、彼女の声は小さすぎて聞き取れなかった。 不覚にも俺、大事なところをミスしてるよ。 「…………………。」 出た、続いて必殺沈黙拳。軽くこの先数分は口を聞かないだろう。 それにしても沈黙拳、便利な技だな。今度俺も使ってみようと思う。 ……あ、クラスメートにでも使うつもりさ。先生には度胸がないので諦めます。 ……棗も口を聞いてくれないし、洗い物でも片付けるかな。 とりあえず食った皿をお台所に戻し、後は洗うだけ。 いつか絶対、家事を棗にやらせてやるぜ……。 そうすりゃ少なからず楽になる。 はかない小さな夢を抱いた夜7:00のことだった。  
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