第三話 彼女観察な俺

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さて、洗い物も終わり、食後の軽い一時を満喫をするために、横でテーブルの下へと首を突っ込んでいる棗の元へと向かった。 今までのアレだと、沈黙拳を使った後の彼女はかなりの確率で寝息をたてている。 さて、今回はどうかな……? 恐る恐る俺はテーブルの下を覗き込んだ。 ……途端、いかにも瞳が眠そうな彼女と目があった。ビックリのわぁっ!としておきたいところだが、何故か今は特に驚かなかった。 「…………なに……?」 あら、彼女が口を開いてくれましたわ。どうしたの? まぁ特に覗き込んだ意味はないんだけども。 だから返答は、 「いや別に特に全く何でも無いけど?」 否定の意味に繋がる単語をとりあえずたくさん並べてみた。 「……そっと……しておいて……」 あぁ、拒絶ですか? 特になにも用はなかった俺だからこそ、仕方がないとは思うけどさ……。 というか、今のは久しぶりに会話になってたのでは? 会話を断られたのは否めないのだが。 気難しい子だよ、全く。 しっかりと会話が成立するのはいつの日になるのだろうか。 テーブルの下から目を離し、とりあえずリモコンでテレビを起動した。 7時代ということもあり、お子様~青年向けのアニメが多数放送されている。 もちろん俺だってアニメぐらい見ますけど? 夜中のアニメはほぼ全てDVDに録画してますけど? 夜更かしは健康に悪いもの。己の体が一番大事なのさ。  
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