第三話 彼女観察な俺

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  しばらく、登場人物の名前が海鮮や水辺関係の国民的テレビを見ていると、突如ガタンッ!!とテーブルが音をたてて揺らいだ。 心なしか蚊の鳴くような小さな唸り声がテーブルの下から聞こえてくる…。 …二回目だな。学習能力というのはないのか?…このままだと多分、そのうちタンスの角に小指ぶつけるな…この子。 まぁ小指はさておき、彼女はひょっこりテーブルの下からはい出てきた。…もちろん頭を押さえて。 「………………(泣)」 言葉を発せずとも痛いと分かる。……棗さん、やっぱり涙目は反則ですぜ!! 「痛そうですね…。大丈夫?」 痛そうなことを分かっていても聞きたい俺。だって面白いんだもん。 「(泣)(泣)(泣)」 いや、そんなにかっこ並べられても返答に困る。 ……なんか夜になってから彼女の返事が若干面白くなってきたな。 意外に普通に会話出来る日は近いのかも知れないな。 完全に体をテーブルの外に出し、頭を押さえている彼女。その若干の俯き具合がなんともww上目遣いっていうの?……萌えの一言です。 「頭が痛いのか?それとも耳か?」 「……両方…(泣)…」 あ、両方ですか。テーブルに耳を頭でガンッ!ってことかな?……想像するだけで痛いわな。 ………さて、この光景を目に焼き付けておこう。次はいつ見れるか分からないからな。 ……意外に近いのかも知れないけどな…。  
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