第四話 母さんと彼女

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  仕方ない。とりあえずは説得だ。可能性だって0%じゃないはず。 「あれこれ、かくかくしかじか、なんだ」 「うん、それ無理」 やっぱり、かくかくしかじかじゃ伝わらないらしい。省略という名の“かくしか”は通用しなかった。 ならば、しっかりと伝えるしかない。 とにかく、うん。一から説明してみよう。 ぴーんぽーん  ぱーんぽーん 「一一という訳だ」 俺は説得した。棗に出会い、ここに至ることを。。 「だいたいは納得してないけど、とりあえず了解~」 母さんも一応納得したようだ。 ちなみに猫耳のことは、リアル・カチューシャとして伝えておいた。 ほら、よくある電動式ふわふわ猫耳。 。 多少強引+αは何を言ったか理解出来ていないが、とりあえず『彼女』という了承は得たらしい。 自分会議で簡単に済ませようとしていた時、ふと、母さんが口を開いた。 「それで、棗ちゃんは何故こんな時間まで、ここに?」 あぁ、説明するのを忘れてた。確かに若い男女が夜遅くまでいるってのは、理由はだいたい一つしかない。まぁ違うけど。 「彼女は一人暮らしらしいんだ。ここ二、三日は泊めてやってもいいだろ?」 何故一人暮らしだから泊めてやってもいいかは俺も理解していない。だが、まぁいい。 「そっか……。ついにあんたも大人の階d―一 「違ーうッ! 断じて違う! 色々と事情があるんだってよ!」 母さんが比喩で強制非公開的なことを言いそうだったので、慎んで遮断致しました。 とにかく、だ。まずは空気と化している棗さんそのモノをなんとか紹介しよう。 彼女の無口なところをどう説明するか、の問題だな。  
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