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さて、禁断の部屋へと足を踏み入れた俺。
普通の人ならビビるであろうこの部屋の中。
天井・周囲の壁には数枚のポスター、そしてベッド横の棚にはフィギュアの数々。数多くの萌えキャラのフィギュアが並んでいる棚だ。
いや、数個は男物のフィギュアはあるが……周りに圧倒されつつある。
そう、俺はヲタクだ。だがヲタクはヲタクでもヲタクを誇りに思っている。
オタクは日本の文化さ、全然悪いことなんかじゃない。
とりあえず座って説明しようか。俺はとりあえずベッドに腰掛けた。
では話を戻そう、
分かるか? 萌えという空間に入っている居心地を。やばいよ、うん。
さて、再び部屋の説明な。
棚の1番目立つところ、1番上の段には我らがネコミミの女の子のフィギュアがどどーんと置いてあるわけだ。
そう、俺はネミコン。ロリコンと同じ、ネコミミコンプレックスだ。
ネコミミ、それは萌え。
ネコミミ、それは夢と希望。
ネコミミ、それは俺を動かすエネルギーの源。
ネミコンにあらずんば人にあらず。
平〇盛の残した言葉かも知れない(本当は違うけど)。
ネミコン=俺、俺=ネミコンなんだよ。そうさネコミミ万歳! ネミコン万歳!
ネミコンよ、永遠であれ。
ネミコンよ、大志を抱け。
……はぁ。
俺の口から溜め息が一つこぼれる。
大丈夫、俺はちゃんと理解している。ネコミミの生えた人間(獣人?)なんて実際には存在しないことを。
そんなことは俺だって分かっている。だけど捨てられない、この概念を。
理想と現実。オタクはそういうものを捨て切れないのかもしれない。
画面の中、所詮『縦×横』の世界。
そんな世界に恋をしている、離れられないこの穿かなき夢。
理想と現実。このつまらない世界、現実。
つまらない、つまらない……。
毎日が同じ繰り返し。ほとんど同じ一日を俺は過ごしている。
どうか神様、俺の日常に変化を、変化を与えてください。
どうか、どうか……。
……はぁ。
やっぱり溜め息が零れる。仕方ないさ、出て来るんだもん。
……ま、今日はそこらへんにしておこう。
うん、俺は今眠い。
夜はもう遅い。
俺はベッドに仰向け大の字に横たわる。
ふう、“どうせ”明日もつまらない一日だろう……でも、
どうか
明日は違う
一日だと信じて……
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