第四話 母さんと彼女

7/9

4719人が本棚に入れています
本棚に追加
/558ページ
廊下という狭い棗への道をくぐり抜け、いつもの戸一枚開いたらそこは楽園的な脱衣所へ。 ……半透けの曇りガラスなどではなく、完全にシャットダウンされた状態の引き戸に手をかけ、開こうとした……が、 「…………………?…」 運悪く(何の運かよく分からないが)手をかけるよりも先に引き戸が開いた。つまり棗が『真っ裸』もとい、寝間着を着てしまっていた訳だ。 濡れた髪がなんともいえない。うん、色っぺぇ。これで服着てなかったら……はぁ…。 も、勿体ないなんて思ってないんだからね!? ……頭の中で意味不でベタなツンデレをかました結果、吐き気を催す具合になってしまった俺。 ……うん、このネタ封印しよう。 さて、棗も風呂からあがってしまったことだし…あ、俺の着替えリビングに忘れた。 とりあえずそこに突っ立っていた彼女と一緒にリビングへと戻った。 彼女はとりあえず座らせ、リモコンという玩具を与えた。 ……今のご時世なかなか便利になったものだ。ねこじゃらしをリモコンで補えるなんて。 とにかく、着替えを持ち、俺も脱衣所へと向かった。 実はというと、俺もさっさとさっぱりしたいものだ。まぁ基本風呂のことを嫌がる奴はいないだろう。 いや、猫って水に入るのを嫌がるんだよな……?棗は特殊なんだな(笑)  
/558ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4719人が本棚に入れています
本棚に追加