第五話 学校と俺

9/26
前へ
/558ページ
次へ
「部長…最近どぅよ?」 「まぁ…ぼちぼちだな」 撃つ前の最初の会話。あ、いや、連休明けの最初の会話といったほうがいいかな? ちなみに、今の『最近どぅよ?』には二重の意味がある。 一つ目に、 連休はどうだった?と、そしてもう一つに、 ヲタ人生になんか変化あったか? の意味だ。 今回は両方の意味を持つ。と~に~か~く~、これが俺たちの朝の挨拶と言っても過言ではない。 「そちらは?」 そうきたか……。どうすっぺかな。 「そうだな、かなり気分はいい方さ。なつ……いや、夏も過ぎて、PCの中では紅葉真っ盛りだな」 まぁ危ないところ…だったのか?…うん、棗のことは伏せておこう。あれは俺だけの子だ!……でもなんか勿体ないな…、いや、…やめておこう。 「紅葉か……、桜の次に風景が学服と似合うよな~」 彼は上を向きながらいった。……口元がにやけているのはつっこまないでおこう。 多分彼の頭の中では紅葉散る並木の中で一人はしゃぐ二次元キャラがめぐりめぐっているのだろう。 ……まぁ俺は棗を想像してしまったのだから俺も人のことは言えないのだが…。やべぇ、無性に家に帰りたくなってきた。 「……連休中になんかあったのか?」 痛いとこついてきたな……。まぁまんざら変なことでもないが……。 「ま、まぁ…な」 ……完全に俺、きょどってたな。棗~……早く逢いたいわ…。 「彼女か?」 「ぢかうは!!」 ……濁点つけるとこ間違えたじゃないか。彼女…か。あながち違ってはいないと……思うが。まぁ今は違うのだろう。  
/558ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4719人が本棚に入れています
本棚に追加