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俺は鞄という名の、からくり箱と一分闘い、無事に鍵を手に入れた。
他の人の家と同じく鍵は差し込み型。
カードキー?そんなものはビバリーヒルズには存在しない。
こんなことはほっといて、開鍵を済ませ、中へと足を進める。
……とりあえず玄関と廊下は荒れていない…もとい散らかってないことに安心しました。
リビングに足を進めると、テーブルの上には朝よりも一、二枚減った食パン。どうやら食べてはいたようだ。こちらにも安心。
ただ…肝心の彼女本人が見当たらない。リビングにはいないのか…?
と思った矢先だ。
テーブルが若干横に動いた。……肝心なところを忘れていた。テーブルの下を確認していなかった。
覗き込んだ先には微かに寝息が聞こえる彼女の背中、何回一日に寝るんだこの子は。
いつもならここで寝かせてあげておくところなんだが…、今日は違う。お買い物だ。
そろそろ紅く輝く太陽も身を隠し、辺りも暗くもなってきた。
…どうやら急いだ方がよさそうだな。
「…………棗……!」
なんかセクハラと思われちまったらいやだから、俺はテーブルの下から僅かに出ている肩を揺する。
「……う、…うみゅ…」
うわー、また萌えボイスきたーー(゜∇゜)\
あ、いやまてよ…?
このテーブル下の状況…まさか…
ガシャン!!
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