第六話 買い物と彼女

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おっと、言い忘れていたが、ポケットの中のお金とかケータイの他に、手には白黒のしましま野球帽が収まっている。 棗に被せなきゃなるまいな。お出かけだもん、へんな注目を浴びてはなにかと困ります。 ちなみにこの野球帽は、俺が生活ルームに入って最初に目に映ったやつだ。今日のはあれだ、特にこだわりはない。 これからのために、帽子も買っておく必要があるな……。 「少しの間だから、これ被っててくれるか?」 「…………こくっ……」 彼女は微かに小さく頷くと、帽子を受け取り、頭に被った。 ……ぎりぎり猫耳が隠れたからよしとしよう。まぁ、猫耳がなくても可愛いし、マジで。 それよりも、散歩の時は誰にも見つかってないんだよな? 前に公園にいたことあったけど、お子様方に見つかったりしてないよな? そこは頼みますよ、棗さん。 ……さて、猫耳の次は彼女の尻尾だ。これはまぁ中にしまえばいいんだけどな。 「尻尾も中にしまってくれるか?」 ……今度は残念? なことに頷いたのは確認出来なかったが、彼女は尻尾をしまってくれたようだ。 分かりづらいから返事をしてもらいたいんだが彼女の返答がこれオンリーならしょうがないと思おう。 まぁそれはさておき、猫耳と尻尾という問題は解決した。 そろそろ出発しよう。 俺は家の鍵がしっかりと閉まったことを確認し、……まずは家の裏へと向かった。 理由は後ほどに。  
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