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家の裏…、そこには俺の自転車がある。一応俺だって乗れるさ、中学生だもん。
……通学には利用していないけどな。
だってうちの学校、自転車通学禁止だもん。
……さらに、乗ろうと思えば乗れるんだが…あんまり上手くないんだなこれが…。
二人乗りなんて初めてだし…。
まぁでも…かなりの時間短縮になるから今日は使わせてもらう。
実のところ…歩きで行きたいんだが…歩きで行ったら夜が更けてしまう。
とにかくようは善は急げだ。急いだ分、服を見る時間が増えるってもんだ。
俺は自転車を家の前まで引いてくると、とりあえず…うん、後ろに棗を乗せてゆっくりと進み出した。
いや、正確には足をつけて進んでいるだけなんだけど。
…だって怖いもん。
よし、ここは一つ、
「…しっかりとつかまっててくれな?飛ばすぜ」
人生で一度は言ってみたい言葉だ。まぁ多分言う時は来ないと思うが。
……あ、ネタを取りにいってるときは別で。
とにかく、俺の乗る自転車はゆらゆらと前進し始めた。
……初速つけちまえば後は楽なんだよ!!
……その肝心な初速がつかないのは別として。
まぁ十数メートルくらい助走をつけると、勝手に自転車は前に進もうとする。
あとはとりあえず足を動かして止まらないようにするだけだ。
ヘルメット?なにそれ、食べれるの?
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