第六話 買い物と彼女

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普通に走るに比べたら全然速いくらいのスピードになってくると、自然と夕方になりかけのやや冷たい空気が頬に当たる。 まだ寒いってわけじゃないんだけど…なんとなく淋しげな空気な感じがする。 とにかく、ずっと走ってればそのうち目的地に着くわけで……なんか交差点だとか無駄に多い信号とかいろいろなものを経由してきたが、省かせてもらおう。 目の前にあるのは建物。 ……うん、 まぁ…街では結構大きめな分類に入るよな、このデパ的な建物。 服屋や飲食店、その他もろもろが集まるデパ的な建物だ。 まぁ…中に入らなきゃ意味がない。俺たちは中へと足を進めた。 とりあえずまずは…時間としては少し早いが、飯にしよう。 そうさ、腹が減っては戦は出来ぬ、だ。 入ってすぐ左の、飲食店の立ち並ぶ通りへと足を進めた。 ……かなりゆったりなペースで。 棗の歩幅がかなり小さいからだ。歩幅を合わせなきゃなるまい。 適当に周りを見渡していると、てか、俺は後ろ…というか横を振り向く。 あ、 「棗、帽子づれてる。猫耳若干見えかけてる」 危ない危ない。 「……猫耳言わない…」 ため息つきかけの極小の言葉を発する彼女。 ううむ…それにしても…、やっぱこれだけは反応するな…。 彼女はいったん立ち止まってから、帽子を元の位置に戻して、再び歩きだした。 まぁ……てか飲食店らへんに行くのはいいんだけど…何食うの?俺ら。 ……軽いもの…だよな、普通。喫茶店的なところでいいよな。 てか見た目中学生二人がそんなとこ行くとさ…デート的に考えてしまうのは俺だけか? やっぱり内心うきうきな俺。  
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