第六話 買い物と彼女

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………はぁ…、 もうかれこれ5分は彼女の返答を待っている。 あのですね…そろそろ何食べるか決めてもらわないとですね…、えぇ、腹が減りました。 あぁ…もういいや。 「…棗~…もう俺が決めちゃっていいか?」 「…………………………………………こくっ…」 こちらを向き、数秒間静止し、小さく頷く。 ……はぁ…。散々見てたあげくにそれですか。 まぁいいか。さて、俺は棗からメニューを受け取ると、とりあえず手頃でがっちりなスパを選び始めた。 ……あれ? ……棗から…? うん、気のせいだ。勝手に俺が受け取ったという感じがしただけだ、きっと。 だってほら、彼女の手、さっきから場所が一緒なんだもの。  まぁ…な、 もし本当に俺に渡してくれていたのだったら…彼女も少しは心を開いてくれていたということなのだろうか。 その日が近い気も遠くなる気もするよ。 まぁそれはただ今は置いといて、 ……彼女のスパは…お子様スパプレートでいっか。 あの、タラコ、カルボ、ペペロンの三種類が少量ずつ味わえるという夢のようなプレートだ。 ただ…普通の一皿に比べると、総合の量でも少ないことが欠点だな。 「これでいいよな?」 「………?…こくっ…」 一瞬疑問のような表情にみえたが…一応頷いたのでよしとする。 あれだろ、彼女なりのチャレンジ精神だろ。 とにかく決まった。 俺は、彼女に呼出し鈴を鳴らさせ(押したときにびくっとなったのは見ていて萌えた♪)、店員を呼んだ。 よし、 「お子様プレートとカルボナーラと抹茶ソフト!」  
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