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「ラブオールプレイ!」
わだけんがカツオに向かってサービスの構えをする。
カツオのレシーブの構えの姿はまるで鬼のような気迫である。
てか鬼。
しかし、わだけんはそんなカツオに目もくれず柔らかくサービスを出す。
シャトルはネットギリギリ上を通過する。
しかし、カツオにとってはこの完璧なサーブまでも「浮いてる」の枠内に収められる。
一瞬カツオがコート内から消える。
シャトルも続けざまに消える。
そして、カツオがまたいた場所に同じ構えで現れる。
その時間約0.1秒。
シャトルはわだけんの後ろでサービスレシーブに対応するために構えていた谷川の股の下に転がっていた。
「サ、サービスオーバー!
1―0!
ポイント、鰹・畑中ペア!」
会場が一気に爆発するように歓声で包まれる。
「サーブが浮きすぎだ」
カツオは谷川からシャトルを受け取るとわだけんにそういった。
こうして、サービスは畑中。
レシーブは谷川と言う形になった。
深呼吸をして畑中がシャトルを上に放り投げる。
「ロングハイサービス!?」
快音と共に、シャトルがネットを空高く超え、谷川の頭上へと落ちていく。
「ズェリャッッァ!」
惜しまず谷川がジャンピングスマッシュを打ち込む。
シャトルは音を置き去りにして一直線に相手コートに向かう。
シャトルは限界速度を超え、回転すらしない。
時速はおよそ1500㎞。
が、それをカツオが前衛で叩いた。
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