始まりの夜

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日本有数の旧家。  “紅月院(コウゲツイン)” その家の三男として生まれた。  が、しかし。  「意味分からないんだけど」 父親に呼ばれた俺は父親の部屋に行くと、父親に当主を言い渡された。  「我が家が代々、神に嫁いでいるのは知っているだろう?」 この家にある“しきたり”の一つにコレがある。  代々、誰かしら神隠しに遭っている。  「嫁が来るとはどういう意味だよ?」 俺は三男だから、上の姉貴か兄貴達の誰かが生け贄(?)になるもんだと思っていた。 「仕方ない、お前が選ばれたのだから。それに向こうから来てくれるのだぞ?」 「そもそも今どき何のしきたりだよ。誰か殺してるんじゃないだろうな・・・・」 ずっと怪しいと思っていたけど、聞けなかった。    ・・殺してるだったら、マジで逃げる!!  「生きているから安心しなさい。ただ、お前たちの前には姿を現さないだけだ」 「絶対無理!!分かり切った答えじゃんッ!」 俺は親父が何て言おうと聞く耳を持つ気にはなれなかった。 耳を塞ぎたい位!  「神様に直談判したらどうだ?違う者を選んでくれと」 「はっ?」 「今夜、お前に会いに来ることになっている」
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