*序章*僕の妹

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 ***  「お兄ちゃん♪」 運紗は長い栗色の髪をふわっとさせてにこにこと声を掛けて来た。 「ん、何?」 と、顔だけ運紗に向ける。 そういえば、何か知らないが、友人曰く、運紗は重度のブラコンらしい。   友人と遊んで数日後…学校。 吉村(よしむら)が意味深な顔で、 「お前ん家行った時な、帰り際に運紗ちゃんに゙お兄ちゃん虐めたらどうなるか分かるよね?"って黒い笑顔で言われたんだぜ、ありゃつえぇぜ。」 と耳打ちされた。 どうやらブラコンの上に最強説も流れていることが伺えた。 しかし僕は 「はは、まさか。」 と笑う事しか出来なかったのを覚えている。   ……まさか…ね。 可愛い運紗がそんなはずは無い。 「…いちゃん、お兄ちゃん!聞いてる…?」 考えていると運紗が頬を膨らませて見上げてきた。 「あ…え、ごめん…何?」 すると半ば呆れた様に怒り、また説明してくれる。 「だからぁ、今日も一緒に学校行こ…?」 上目ずかいで見上げてくる。 断れないじゃないか…。まぁ、近いから良いけど。 「駄目…?」 小さく首を傾げ、涙目になる。 反則だろ…。 「……仕方ないなぁ…」 はぁ…とため息をついて微笑み、頭を優しく撫でる。 「えへへへへ…わーい♪」
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