明日への軌跡

5/25
4995人が本棚に入れています
本棚に追加
/314ページ
きりっとした凛々しい瞳。髪をふたつに結わうツインテールがひらひらと風に舞う。 すらりとしたスタイル抜群なこの女の子は鳴瀬 明日香(なるせ あすか)。 「今日も明日香の方が先か」 「当然です。城石君が明日香に勝つ要素はひとつもないですよ」 いししと微笑む明日香は太陽のように眩しかった。 先に話し掛けてきたのは明日香。大胆だなと思ったけど、明日香の出すオーラはどこか不思議で、すぐに馴染めたのだ。 高校初の友達が明日香だった。毎日楽しく話してくれ、笑顔の絶えない女の子だ。 「城石君、何をぼーっとしてるのですか? 遅刻してしまいまうですよ」 「えー、ゆっくりしてこうよ」 「早く着いて来るですよ」 明日香は強引にも俺の手を引っ張った。
/314ページ

最初のコメントを投稿しよう!