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とにかく気だるい。
誰かが遊びに誘ってくれたりでもすれば多少気分がノってくるのだが、まだわからない。
「……日曜って、偶に暇だなぁ」
「私はあー君がいれば楽しいけどね」
「人のことオモチャにするのいい加減やめない?」
涼狐ねぇは首を横に振り、こちらにむけて舌をだした。
あー君、というのは俺のニックネームだ。
といっても、そう呼ぶのは涼狐ねぇぐらいしかいない。
東宮 秋也。そこら辺にいそうでいない平凡な名前だ。
ニックネームがつけやすい、とは友人からよく言われるものの、実際ニックネームで呼ぶのは少ない。
雰囲気というものが絡んでくるのだろう。
「考えごと? どんな手を考えても私は出て行かないよ?」
涼狐ねぇがかけ布団から出る。
まだ寝ぼけて力が出ないのか、ベッドの上からは退かず、へたりと座りこんでいる。
そんな状態にかかわらず話しかけてきたのは、かまってほしくなったからだろう。
涼狐ねぇはどちらかというと、妹、だな。
「ふーん。じゃあ俺は風呂に入ってくるから、ゆっくり寝なよ」
「おーけーマイブラザー。朝は風呂にかぎるっていうことだね?」
「そう」
「私も入っていいよね!?」
おーけーマイブラザーの意味を知りたい。
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