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俺と涼狐ねぇが風呂に入るのは、小学校低学年ぐらいの子供達が一緒に風呂に入るのとはわけが違う。
お互いに発育するとこは発育しているし、羞恥心や公共良俗等を充分に理解した年頃だ。
「高校生になってまで一緒にお風呂入るなんてありえないよ」
「いやいやあー君、全然ありえるって。実例を今からつくるし」
羞恥心や公共良俗等を充分に理解した年頃だ。
「ないから。実例の実現もないから。とりあえず寝なよ。なんかもう寝なよ」
「いやん、あー君ったら……石鹸の香りよりお姉ちゃんの香りがいいの? せっかちなんだから……」
羞恥心や公共良俗等を充分に理解した年頃の筈だ。
例外はある。
つまり、涼狐ねぇは頭のネジが一本足りない人、ということだ。
「じゃあ風呂入ってくるから」
「一緒に入りたい~」
「駄目」
「わかった! つまりあー君は一緒に入るより、後から入ってきて、背中ながしてあ、げ、るって言われた方がいいんでしょ?」
なにひとつわかっていない。
わかった、という言葉は物事に納得してからいうべきだ。
誰も逆走した発想をしろとは言ってない。
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