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夢なのか、夢じゃないのか。
“有り得ない”ことを夢というなら、俺が睡眠中に見ているモノはなんなのだろう。
―――それはやはり、夢だろう。
なにせ、“有り得ないかも”しれないという悪夢を見ているのだから。
種類がどうであれ夢は夢。
比較的、“おきる”確率の高いモノ。
―――それは、端から見れば羨ましい光景だろう。
なにせ、美少女三人に囲まれているのだから。
「あ~き~く~ん~♪」
一人の少女が口をんっ、と向けながら近づけてくる。
三人の中でもっとも長い朱色の髪は、長女である証。
「あーっ! ずるーい!」
そしてそれに感化されてもう一人の少女がギュッと抱きついてくる。
肩にかかる朱色の髪、ピョンとはねたアホ毛。
三女の証。
「秋也に手を出さないで!」
ガバッと、最後に残った少女が後ろから俺を抱き締めた。
朱色の長い後ろ髪を髪留め《ダカール》でまとめ上げているそれは、少し好戦的に見える。
次女の証。
―――この夢に出ている少女は三姉妹で、俺の、姉だ。
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