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「離れてくれない?」
夢の中たがらか、自分は冷静だった。
おかしいのは、夢だと自覚しているというところ。
なぜおかしいか。
夢とはすなわち人が抱く幻想。
幻想に見入る人はその時だけ自己意識、つまりは常識、世界観。それら全ての書き換えがおこなわれる。
なのに、夢だと気づいている。
「無理だおー」
長女の唇が右頬に触れる。
「だが断る。……わ」
次女の唇が左頬に触れる。
「完璧に融合してしまいましたタイチョー」
三女が、そのまま唇を、唇に―――
いや、待て。
夢の中だからってそれは無し。
起きなくちゃ。
けど方法は?
曰く、夢は痛みを感じないとかなんとか。
痛みを感じたら起きるとか起きないとか。
それは名案だ架空友達!
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