1344人が本棚に入れています
本棚に追加
可愛い女の子と腕を掴まれ、楽しそうにしているあの人だった…。
彩香
「彼女…いたんだ…」
朋子
「戻ろっか…。
それとも…彼女と別れるまで待つ?」
彩香
「どうしたらいいかな…?でも…お礼だけでも言いたいな…」
朋子&友香
『サヤ…』
友香
「あっ!こっちに来る!!」
思わず…隠れてしまった…。
私…何してるんだろう。
萌美
『お兄ちゃんは、すぐに首突っ込むねー』
雄平
『うるさいな…』
二人は、歩き出した。
彩香
「えっ…?今…」
朋子
「あの子、お兄ちゃんて言ったよ!?」
彩香
「う…ん…。
うん…。よかった…」
気付けば、涙が零れていた…。
(私…なんで、泣いて…)
朋子
「そんな事より追い掛けて名前を聞かないと!」
初めて来た土地…。
土地勘が無い私達には、探すのにも限度があった…。
友香
「見つからなかったね…」
彩香
「うん…。
二人とも本当にありがとう」
朋子
「友達なんだから当たり前でしょ?」
彩香
「うん…。
でも、ありがとう。
二人が居てくれて…良かった…」
友香
「これから、どうしよっか?」
朋子
「なんか、スッキリしない修学旅行になっちゃったね」
彩香
「ううん…。
何も出来なかったけど…あの人に出会えただけでも嬉しかった…」
朋子
「無理しないでいいよ?」
彩香
「わ…たし‥‥私…」
朋子の言葉に涙が再び零れてきた…。
彩香
「何も出来なかった…!
二回も助けてもらったのに…。
ありがとうも言えなかった…!」
友香
「いつか…また、会えるよ。
きっと…」
朋子
「だから、今は思いっきり泣いて…また会える事を信じて、頑張ろう?」
彩香
「う…ん…。
ありが…とう…」
この時…私は、人に気持ちを伝える大切さを知った…。
最初のコメントを投稿しよう!