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封筒から出て来たのは…数枚の写真だった。
そこに写ってたのは、私達三人。
でも…。
一枚だけ…違う。
その一枚に写ってたのは、私とあの人だった。
友香
「わぁ…!?」
朋子
「なんで!?」
由希
〈凄く良い顔してるなと思って、思わず撮っちゃった♪〉
由希曰く、飾らない姿が綺麗で…写真に残しておきたかったとの事。
由希
〈この人だよね?
サヤが助けてもらって、三人がずっと捜し回ってたのって〉
彩香
「…うん。
お礼も出来なかったし…名前も知らないけど…」
あの時のやり切れない気持ちが込み上げてきた…。
朋子
「ねぇ、サヤ?
あの人の事…好きなんだよね?」
彩香
「よく…わからない…。
だけど…会いたい…!
私…!
もう一度…あの人に会いたいよ!」
涙を堪える事が出来ずに私は…泣いてしまった。
朋子
「なら、諦めないで!」
友香
「そうだよ!
後悔するだけじゃ、何にもならないよ!」
彩香
「でも…住んでる所も違うし…。
もう会える可能性なんて‥‥」
友香
「そう言うけど…。
サヤは、二回も助けられてるんだよ?
そんな偶然の方が絶対に凄いって!」
朋子
「そうだよね。
この前も言ったけど…。
もう一度会えるって信じよう?」
友香
「私も、サヤには今の想いを大切にして欲しいと思う」
彩香
「…うん」
トモとユカの言葉が胸に染みる…。
二人の暖かさが嬉しかった。
―学校祭―
修学旅行から四ヶ月が過ぎ、今日は学校祭。
〈岡山〉
トモ達と話していると、クラスの男子に呼ばれた。
彩香
「何?」
男子
〈岡山って、彼氏いないよな?〉
彩香
「うん。いないよ」
男子
〈俺の友達が紹介してくれって、言っ――〉
彩香
「ごめんなさい!」
『早っ!!』
様子を見ていたクラスメート達が、ツッコミをいれてきた。
男子
〈わかった。
でも、好きな奴でもいるのか?
全部断ってるみたいだし〉
朋子
「サヤは絶対に落とせないよ」
私とクラスメート達の間にトモが入って来た。
朋子
「私に任せて。
知られたくないでしょ?」
トモは、耳打ちをしてきた。
そして、私を皆から離してくれた。
彩香
「トモ…ありがとう」
トモの背にお礼を言った。
トモは、軽く手を上げて答えてくれた。
彩香
「‥‥‥」
仲の良い男の子もいたが、あの人の事が気になり。
私は、告白を断っていた。
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