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「俺の頭ん中は、3日前からおまえのことでいっぱいじゃ。俺の女になれ。もうどうにかなってしまいそうじゃ!」
「…高杉はんのご挨拶どすなぁ」
会うなり強気で迫る晋作を、蘭は造作もなくかわす。
「なにを言うちょるか。欲しいのはおまえだけじゃ」
切れ長の目に見すえられながら、蘭は静かに微笑んで酌をした。
(こんなにひねりがなくてまっすぐなお人、今までにお会いしたことがないわ…)
あばれ馬のようにつっ走ると思えば、不思議なほど品があり、笑うと可愛いらしい。
(色んな人格が、この方の中で同居しているみたいやわ…)
それが、高杉に対する第一印象だった。
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