高杉晋作という男

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「ねぇさま、天誅ってなんですか?」 「まぁ、そんな言葉、どこで覚えたの?」 上気させた頬を撫でながら、まりあは弟を愛しげに見つめた。 彼女がもらわれてきたのは七つの時。 幼い頃の記憶は、ほとんどないし、ここにもらわれてきたいきさつも、わからない。 が、養父母は、彼女を実の子以上に可愛がってくれた。 三年経たぬうちに、雅寿が産まれた。 ――ねぇさま、どぅしてねぇさまの眼は青いの? ――おじいちゃまが、異国の人だからよ。 ――いこく?遠いの? ――うん、海の向こうの遠い国なのよ… .
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