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きっとこの方も、異人がお嫌いなんだわ…
祖父がエゲレス人というのは、消すことも変えることもできない事実。
隠す必要はないし、まりあ自身、白い肌と蒼い瞳に誇りを感じていた。
「ぬしの姉上は、別嬪じゃのぅ。エゲレスのおなごは、さぞかし別嬪揃いなんじゃろ」
「!」
糸切り歯をのぞかせ、侍は言った。
「ぬしァ幸せもんじゃ。ニッポン人とエゲレス人のいいとこどりじゃな」
彼女は胸を震わせた。
かつて、こんなふうに言ってくれる人はいなかった。
「童、どんなことがあっても、姉上をお守りするんじゃぞ」
優しく頭を撫で、侍は言った。
「はい!」
ひとりの男として対等に接してくれたことが嬉しいようで、雅寿は満面の笑みを浮かべ、大きくうなづいた。
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