ポークビッツハユメヲミル

2/12
前へ
/12ページ
次へ
「ギャア!来るな触るな近寄るな!!もうイヤ!!!あたし帰る!!じゃね!バイ!!」 リオは般若の形相、脱兎の如く帰って行った。 気付けば、俺は部屋にポツン。 右手に持つゴキブリがカサカサ音をたてている。 もしかして、俺、やっちまった? ちょっといい雰囲気になったその時、部屋の角に見つけた黒光りなコイツ。 叩き潰すのは可哀想だと、何気なく手を伸ばしたら、何故か捕獲成功しちまった。 キスの後、うっとりと目を開けたリオは、俺を見て、上記のような反応。 こりゃフラレるな・・・。 俺は右手のゴキブリを窓から投げた。 今度は捕まるなよ。 ゴキブリは青空の中の点になり、やがて消えた。 俺もリオの中にこんな感じで消えるのかな。 でも、それでいいのかもしれない。 もし、あの時あのゴキブリが出てこなかったら、たぶん、本番までいってただろう。 付き合って半年、そろそろ逃げられない。 そうなったら、俺のウィークポイントがバレてしまう。 俺の、この、びっくりするぐらい、極、極、極小の性器に・・・。 俺のため息も青空に消えた。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

88人が本棚に入れています
本棚に追加