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だが、今はどうだ。
我を祀るものは一人も居やしない。空気は濁り、星は重たい雲の上に姿を隠し、人工的なネオンが夜になると光りだす。
我が神社は荒み、社は朽ちはてそろそろ、ここに居るのも限界のようだ。
だが我は人間を恨んじゃいない。
妖怪だった我を神と称し新たに創造(つくりだ)し祀ってくれたのは人間であることに変わりはないのだから。
だが、我は少しの間この地を離れるとしよう。
数千年もの間一人で過ごしてきたせいか、どうやら、我は人が恋しくなってしまったみたいだ
→終
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