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母さんとの話が終わってからは自室に入り、学ランから白のスウェットに着替え、机へ向かって今日の宿題を片付けた。
それから必要な教科の予習をし、全て終わってからは、ベッドに寝転びながら音楽を聴いていた。
アルバムCD一枚分を聴き終わって、イヤホンを耳から外した、まさにその時。 机の上で充電器に差しっぱなしになっていた、携帯が鳴った。
中を確認したら、『夏川 海斗』からのメール。
タイトルは無く、忘れ物をしたから、今から私の家に行ってもいいか、というものだった。
…………え!?そんなのあるの!?
取りあえず了解の旨を伝え、何を忘れたのかを聞いてみた。
えっと……一週間ぐらい前に海斗がうちに勉強しに来て……。何かあったっけ?…………もしかしたら気付かずゴミと一緒に捨てちゃったかも!?
慌てて部屋を片付けつつ、何かもわからないものを必死で探す。
「ただいまー!」
階下から、確実にあれから遊んでいたであろう颯太が帰って来ても、無視に徹した。
返事がないってことは、急いで向かって来てるってことだよね……?何を探すかわかんないけど、とにかく私の部屋に無かったものを探さなきゃ!
海斗が来るまで、必死に床に這いつくばってカーペットをめくったりしていた。
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