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レギュラーだけで、前回の練習試合の反省をした帰り。サッカー部のメンバーと一緒に騒ぎながら帰っていた。最初は5人だったけど、途中から別れたりして、最終的には2人になっていた。
「じゃーな!海斗」
「おう!」
築15年という、微妙な古さの我が家の前で最後の1人と別れる。鉄筋造りで堅そうな、俺の家へ入っていった。
「ただいまー」
「おかえり、海斗。先にお風呂入る?」
「後でいいや。ミーティングしかしてねぇし」
キッチンから響いてくる母親の声に返事をして、そのまま2階へ上がる。
プリントやら服やらが散乱した、汚い部屋の床に無造作にエナメルを置いて、ジャージに着替えた。
CDラックから一番好きな曲のCDを取り出そうとした時、その場所が中途半端に空いていることに気付く。
記憶をたどってみると、最後に取り出したのは、約一週間前、優の家に行った時に持って行ったのだと思い出した。
……優もこのアーティストが好きだってことを知って、最新のシングルを貸してあげようと思って……渡したら優が喜んで……パソコンつけてインポートして……返してもらったらどっかに置いて勉強して…………そのまま帰宅。
俺、何してんだ…………。
すぐ優にメールを送って、許可をもらったから家に行くことにした。ジャージとか、そんなことは気にしてられない。
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