キミ想イ

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「……アイツは、絶対俺を好きにはならない。告白したって……結局……」  ギリッと下唇を噛み締めて涙が流れるのを耐えたけど、やっぱりダメだった。  嗚咽が漏れて、上手く喋れない。 「す、好きになってくれない奴、好きでいんの……。もう、疲れたよ。ずっと、好きでいるだけで……それで良いなんて思ってたけど……。嘘だ」  涙を拭いながら話す俺を、修兄ちゃんは煙草の灰を落とすこと無く、ただ黙って見上げていた。 「俺だって、好きな奴に好きになってもらいたい!! ……でも、そんなの……奇跡でしかないじゃないか」  涙って、どうしてこんなに出るんだろう。体中の水分が全部流れてしまうようだ。 「言ったのか?」  不意に修兄ちゃんが尋ねてきた。 「え?」 「ソイツに……好きだって」  問われて、ブンブンと頭を左右に振った。勢い良すぎて、一瞬目眩がした。  目の前でチカチカと火花が散る。 「……言えなかった」 「ずっと黙ってるのか? 忘れられるのか? そんな状態で」  答えられず、俺は叱られてる子供みたいに俯いて、唇を噛み締めていた。 「お前は、どうしたいんだ?」  煙草をコンクリートに押しつけて、修兄ちゃんは溜め息混じりに言った。 「……わ、わかんない」  ゴシゴシ目を擦ってそう答えると、修兄ちゃんは呆れたように、今度は深い溜め息をついて呟いた。 「……バカな奴」  
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